コラム

2019.08.01(木)| お茶の話

水を求めて(1)

台湾茶藝館いろはです。

あれよあれよ、という間に8月になってしまいました。梅雨明け後は猛烈な暑さになっています。暑さ対策をしつつ、何とか乗り切りましょう。

昨日は定休日だったので、飯田へ行って参りました。「婆さんは川へ洗濯に。。」では無く、山へ水汲みに。

お茶と水は切っても切り離せない関係があり(水は茶の母であるとも言われている)、『茶経』でも取り上げられています。(『茶経』は茶に関する最古の典籍であり、760年前後に陸羽によって撰述されたものと考えられている。ここで取扱っている茶は、団茶であり、現代日本で飲用されている煎茶抹茶ではない。その内容には、単なる喫茶法を超え、茶道に至る精神性を垣間見ることができる。wikiより)

陸羽先生は天下第20泉を挙げていますが、これには色々論争もあるようです。とにかく水にはこだわったのですね。唐代の白居易は雪解けの水で名茶を淹れ、清代の乾隆帝は蓮の葉の上の露を集めてお茶を淹れるなんて、風雅な詩を作っています。

前置きが長くなりました。当店も水にはこだわっています。というより、美味しい水で淹れると、もう不味い水で淹れたお茶は飲めなくなる。。。という単純なものですが。訂正、飲めなくなる。。のでは無く、淹れたくない。。が正解でしょうか。

美味しい水があると聞いて、まずは飯田へ。『猿蔵の泉』(1985年 昭和の名水百選の一つ)で汲んで参りました。。


この水は!

本当に素晴らしいですね!

甘くて、けれど口の中に残らない、インスタには喉越しがキリッと と書きましたが、やや不適切。甘露だけど爽やか、すっと吸い込まれるような水です。山の中なので、かなり深い場所から湧いているようです。水の硬度は11〜14mg/L。PH7です。

江戸時代に茶道家の不蔵庵龍渓宗匠が茶の湯に最適な水を求めて旅していたところ、天竜川下流の水のうまさに心をひかれ、川を遡って源流を探し当てたのがこの泉だそうです。文化文政時代、時の城主が、茶の湯を点てるために、家来に毎朝馬で水を届けさせたとか。

さて、このお水で淹れた烏龍茶は如何に?


比較したお水は、

猿倉の泉(飯田市)、安曇野の里のアルプスの湧水(安曇野市)、野底の深山湧水(飯田市)です。

結果は。。。

明日に続けよう (ウッチャン風)